第5回開催 デジタル教材賞 準グランプリ

ピッケのつくるえほん for iPad

株式会社グッド・グリーフ(日本)

作品概要

子どもたちの言葉と物語の創造表現活動を支援する目的で開発した絵本づくりソフトである。画面上にキャラクターやアイテムを配し物語を作成する。音声を録音し、紙の絵本を作ることができる。幼児であれば、ごっこ遊びを楽しむようにお話を語る。年齢が上がると、読み手を意識したフィクションも生まれる。創ることにはあらゆる学びがつまっている。子どもたちに言葉と物語の楽しみを存分に味わってほしい。

受賞コメント

このたびは嬉しい賞を賜りありがとうございます。ピッケをつくり始めて17年、お話づくりの活動を始めて10年近く経ちます。子どもたちに、絵本を読んでもらう楽しみに加えて、お話をつくる楽しさも味わってほしくて続けてきました。想像の世界で心を解き放ち遊ぶことは、子どもたちの心を楽しみで満たします。つくった物語を自分の声で語り大切な人へ届けることは、嬉しく誇らしい経験です。認められることで、自分を大切にし人を信頼できる心の礎が育ちます。「創る」は楽しく、なかでも言葉の創作活動は人の根源に関わる大きな喜びです。そして「創る」にはあらゆる学びがつまっています。楽しみな未来へ、身に付けた創造力で、子どもたちに存分に羽ばたいてほしいと願っています。

審査員コメント

子どもたちがオリジナルなデジタル絵本(と紙の絵本も)つくれるアプリです。
初めて触る子どもでも直感的に表情やポーズを選択、アイテムと組み合わせながらお話しを作れるところが魅力的です。さらに、つくった物語を手軽にわかちあえ、コミュニケーションの場をつくれるところに価値があります。
21世紀を生きる子どもたちの創造力を育む教材として、家庭だけでなく学校教育の場でも広く利用できるところに可能性を感じました。
宇治橋 祐之 (NHK放送文化研究所 主任研究員)

「ピッケのつくるえほんiPad版」は、感覚的に操作する幼児や低学年にはピッタリのツール。アイコンをドラッグして大きさや角度をセットし、自分自身で音声を入れる。物語を創造し表現する。無駄な機能は入れずシンプルな造りに徹底している。デジタル作品を印刷してアナログの絵本を作成し、家族や友達と共有する。オリジナルアイコンのセンスの良さと合わせ、創造する楽しさを様々な角度から感じさせる優れた教材であると考える。
坂井 岳志 (日本教育情報学会理事・世田谷区立八幡小学校 特別支援教室専門員)