第3回開催 グランプリ
Nott Won’t Sleep
Developlay(オランダ)
作品概要
主人公のNottが眠りにつくまでを描いた、言葉のないデジタルえほんです。3つに分かれたステージを進めていくうちに、次第にNottが眠りに導かれていきます。寝かしつけにぴったりの作品です。
受賞コメント
デジタルえほんアワード作品部門グランプリに本作をお選びいただき、大変光栄です。私たちはこのアプリを作家やデザイナー、ゲーム開発者、心理学者など、8人のスタッフで開発しました。この作品は、眠りたがらない小さな女の子が主人公の物語です。鑑賞者は、眠りにつく習慣を学ぶことで、主人公が眠る手助けをすることができます。私たちは、ゲームや絵本、そしてインタラクティブメディアを掛け合わせたものを作成しようと努力しました。私は、本作は複合的なメディア作品として、革新的な形式ではないかと思っております。私たちは、発売前に多くのこどもたちに本作で遊んでもらいましたが、こどもたちはとても夢中になっていました。
デジタルえほんアワードでの受賞をとても誇りに思います。この賞を励みに、わたしたちが日々行っている活動を継続し、より多くのこどもたちが健康で幸福になる作品を制作していきたいと思います。この度はありがとうございました。
審査員コメント
「アプリ独特の指でさわって動かしたりゲーム的に挑戦して進めていく要素と絵本のストーリーとがうまくマッチしていて、アプリならではの賞にぴったりだと思いました。とても面白いです。これからはこういう世界がどんどん広がってくれればと思い選びました」
(きむらゆういち/絵本作家)
「寝かしつけのための絵本の読み聞かせは、結果として子どもたちに「もっと読んで!」とせがまれてしまうといことがよくあるのではないかと思う。
本年度グランプリを受賞した本作においては、寝かしつけのための読み聞かせデジタルえほんとして実によく設計された、素晴らしい作品だ。ページや言葉のない絵本の世界に入り込んでいくうちに、こどもたちは主人公と一緒に次第にあくびをしはじめ、最後には眠りにつく準備が整っているはずだ。
寝る前にお父さんやお母さんに読んでもらった絵本というものは、大人になってからも記憶に残っているものだ。
いつか小さな頃に読んでもらったデジタルえほんの記憶というものが、未来の子どもたちの創造性を育むきっかけになる日が来るのではないだろうか。」(茂木 健一郎/脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学特任教授)